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弁護士コラム Column

刑事裁判ドラマと現実

2021年12月01日
名古屋丸の内本部事務所  弁護士 長沼 寛之

今回は、刑事裁判の手続きについてお話しようと思います。
 ​最近、刑事弁護を取り扱うドラマや映画が出てきていますが、実際に弁護士をしている者から見ると、現実と異なっていて、気になるところも多いです。
​ 最たるものは、刑事事件において、弁護士は真犯人捜しをしないということです。刑事裁判は、有罪か、有罪とは言えないかを決めるものです。黒に限りなく近いグレーであっても、黒と言えなければ無罪です。この考え方は、一般の方からすると、納得しがたいものかと思いますが、日本の刑事裁判の原則です。
​ 刑事弁護人が、被告人が犯人ではないとして無罪判決を目指す場合、「被告人が犯人かもしれないし、犯人ではないかもしれない」という状態(グレーな状態)にすれば足ります。「犯人ではない」という確定的なところまで立証する必要はありません。第三者の犯行の可能性が否定できないことを立証するのが目標です。
​ 刑事事件で弁護士が、真犯人捜しをするのはフィクションです。
​​ 他方で、重大事件の裁判で、傍聴していた記者が「判決主文後回しです。」と裁判所から飛び出してくる場面を見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。これが何かというと、判決が死刑である見込みが高いことを示しています。通常、有罪・無罪や懲役●年などの主文は、最初に言い渡されます。しかし、死刑の場合は、最後に言い渡されることが多いです。もちろん、後回しでも死刑ではないこともありますが、死刑の可能性が高いので、記者が飛び出してくるわけです。
​ 判決についてわかることとして、裁判官が主文で「被告人を」と言ったら有罪、「被告人は」を言ったら無罪とわかります。
 裁判は、一般の方でも傍聴できるので、一度傍聴に行かれてもよいと思います。
 いわゆる傍聴マニアがいるくらいなので、また行きたいと思う方もいらっしゃるかもしれません。
 名古屋地方裁判所を中心として、弊所の支所がある近くの裁判所であれば、弊所の弁護士が弁護人をしている事件に当たるかもしれません。

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